スコ丸ブログ

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失敗を大事にする気持ちの重要性

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 営業が集まる意見交換会などで、一時期営業の極意を聞きまくっている時期がありました。

 その時の、「良いな」と思った営業マンの話です。

  その方は元々電気機器メーカーで営業担当をしていたのですが、定年後、知人のツテで建物の基礎(コンクリートのところ)の営業を始めたのです。

 元々、営業畑というだけで、電気機器と基礎とでは全くの畑違い。初めは売るものもよくわからなかったそうです。

 ただ、僕自身が酔っていたのもあるかもしれませんが、非常に話が面白く気さくな方で、こんな人とは友人になれそうだなぁと思ったのを覚えています。

 

 その方の話の大部分は「失敗談」です。

 これがとても面白く、なんとなく嫌味も説教臭さも無い。

 ですが、小さな基礎屋さんがどうやって大手メーカーの営業交流会に定期的に呼ばれるようになったのか。僕は気になりました。

 酔った勢いで聞くと、「会社の売りを馬鹿みたいに繰り返しただけだよ」と笑っていました。

 僕のように自分を大きく見せて信頼性を上げるタイプではなく、腰を低くして人の和の中に入っていくタイプでした。

 

 ただ、今思うとこのお爺さんは正直者だっただけなのかもしれません。沢山の経験をすると成功体験も失敗体験も出てきます。その中で、成功体験は2つに分けられます。

 ①偶然成功した場合と失敗の積み重ねから②必然的に成功した場合です。

 ①の具体例を示せば、たまたま営業訪問時にガスか電気で迷われていたお客さんが居いて、電気の営業マンが居なくて自分だけ。そこで、建築屋さんからいきなりプレゼンを要求され、敢えて電気と比較せずにガスの良さと最新機種を提案したところお客さんが気に入って成約。

 もちろん、これはいつでもプレゼンができるようにしていた下準備もあります。しかし、これは偶然成約に至ったというものです。

 ②では、元々1種類の機器を重点営業機器として販売促進していたが、何度も断られた。そして、団地内の一つの島全てがオール電化になってしまった。そこで、重点機器以外の販売のプレゼンをするものの後の祭り。その島の近くではガス屋さんの話さえ聞いてくれない。

 そこで、よく調べてみると電気屋さんがガスから電気機器への取替で安くなるキャンペーンを打っていたことがわかった。つまり、自社で売った後の取替間近のお客さんへのフォローが足りないことに気づいた。

 その島の取替時期をマークし、全く違う島で取替キャンペーンと取替間近の機器があるお客さんへ周り、最新機器の周知とプレゼンを行い、そこから数年後に団地の防衛に成功した。

 

 ②では、相当やられていますし、門前払いも食らっています。しかし、この失敗からフォローの方法と営業スキームが身についています。おそらく今後、②の担当者は会社のシステムに電気機器の製造年月日まで記入して、フォローを行うことでしょう。

 

 つまり、①ではたまたまうまく行っただけで「2匹目のどじょう」は狙えません。しかし、当然ながら②では今後の営業方法まで会得しています。

「やられた」とか「だめだった」とかの経験は、今後に非常に役に立つのです。

 

 話をおじさんの話に戻します。

 おじさんは、この「たまたまの成功」や「失敗を積み上げた成功」に関してあまり興味がなかったのかもしれません。

 それよりも、「なぜ駄目だったか」など失敗からの研究が面白く、それを繰り返してトップ営業マンへと登り詰めたのかもしれません。

 

 話をまとめますと、単体の成功は事業としては必要ですが、個人の成長にはあまり意味がありません。それよりも、失敗をして挑戦を繰り返すことこそが非常に重要なのです。

 失敗に関しては、僕も沢山あり書きたい内容なので今後もリライトしていきたいと思います。