Pixel4から覗くと日本は後20年はGoogleに絶対勝てない。
Pixel4が発売されて一ヶ月も経たない内に、システムアップデートが有りました。流石です。この早いアップデートを見ると今の日本では絶対に出来ないと感じてしまいます。
それは、企業が悪いという意味だけでは有りません。
以前、NECや富士通のスマートフォンを使っていましたが、アップデートは非常に少なく、よく言えば「完成版」として出された製品でした。
しかし、スマートホン好きとしては反応の遅い指紋認証や、年々遅くなる処理速度に対して不満は多々有ります。ただ、これはユーザビリティという点では優れている点でも有るのです。
日本のメーカーは「日本製」のブランドが根強く残る高齢者やITに疎い方をターゲットにしています(Experia除く)。それは、各社のパンフレットを見てみるとわかります。
「衝撃に強く落としても壊れにくい!」「わかりやすい表示」「大きい文字対応!」などなど、高齢者向けのワードがずらりと並んでいます。
批判を承知で書きますが、この「高齢者」は実にクレーマー気質の方が多い。私が会社で受けたクレームの大半は高齢者からです。残りはちょっとアレな方などです。まず、一般的でまともな若い方はクレームを居れません。クレームを入れるくらいなら別の会社に乗り換えていることでしょう。
さて、ここが問題なのです。
日本は「我儘な高齢者」にターゲットを絞りすぎたのです。
高齢者は高性能なんて求めていません。充電をあんまりしなくてよくて、不自由無く使えればそれで十分です。
そうなると、電池持ちを良くするために「低性能のCPU・RAM」、「握りやすいけど野暮ったいデザイン」となってしまいます。そんなスマートホンを使う顧客に、「アップデート」なんてした日にはクレームの嵐になりかねません。
「これは何だ?」「未完成品を売ったということか?」「通信費が高くなった補償しろ」
ね? 無茶苦茶なクレームを聞いたことの有る勤勉な労働者の皆様には容易に想像できるでしょう?
だけど、Googleは売って二週間足らずで「アップデート」をしたのです。
外資ですから「日本」のマーケットなんて気にしていないのでしょうが。
話をまとめるとこうです。
日本のメーカーは、日本の一見潤沢にみえる内需を取り合った結果、モンスタークレーマーを量産してしまいました。その中でも、彼らに逆らえば売上は落ちてしまうので、ずっと同じように使える「小さくまとまった」製品を作らざるを得なくなった。
この間、世界を舞台にサムスンやアップルは熾烈な性能競争を繰り広げているのです。サムスンの折りたたみスマホは、曲がった部分の液晶が駄目になるというニュースも有りましたが、それでも市場に出したというのが凄い。
賛否両論有るでしょうが、思い切って新しい技術を売るという気概こそ新しいマーケットを開拓していくのです。今の時代、クレームや失敗を恐れているようではシェアは奪えません。失敗から学び、恐れず改善し、挑戦していくしか方法は無いのです。
しかし、日本は失敗を恐れ、改善を繰り返して壊れにくい汎用品を量産する体制に入ってしまった。スマホの進化が頭打ちになった時ならそれでいいでしょう。しかし、5G、そして6Gが控えている時にこの守りの体制はリスクが高すぎるのです。
どうすれば良いのか。方法は有りません。ここまで日本全体にクレームと恐れが溢れてしまうとどうしようもないのです。
ですから、あと20年は絶対勝てないのです。この20年は、クレーマー気質の高齢者が世代交代する時間です。60歳を超えてITが出てきた年代が居なくなり、仕事でITを使っていた世代が高齢者になります。そして、人口減を相まってわざわざクレームを聴く文化も減ってくるでしょう。
20年後には携帯のキャリアのショップで、口汚く罵っている高齢者はおろか、店員まで居なくなっているかも知れません。
その時になって、日本はようやく世界のテクノロジー企業と戦えるのかも知れません。
今日、Pixel4のアップデートが始まり感動して書いてしまいました。