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STPマーケティングで気づいたこと

 

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 商品販売会議等でよく「ターゲットは?」などと言われます。僕はずっとこの質問に疑問を持っていました。

 その上司からの質問に「20~30代のファミリー層です」などと答える担当者に対しても「????」と疑問を持たずにいられません。

 それは、そもそも顧客を「セグメント化」していないのに、「ターゲットを決められるか」問題です。

 

 今回のブログの結論はこうです。

① ターゲットは、当然「層」のことだが、層を想定する必要がある。

② そもそも、層の想定にはマーケット調査が必要である。

③ ターゲットは、層ではない可能性もある。頭を柔らかくして考える必要がある。

  今回は、分かりにくいです。というのも、STPマーケティング自体で分厚い本が何冊も出ているほど奥深いもので、簡単に理解できるものではないからです。

 それは何故でしょうか?

 その理由として、マーケットを分割する「セグメンテーション」自体が非常に困難だからです。

 恐らく、イチ営業マンであれば、今まで対面したお客を想像し、いきなりその人達を「ターゲット」にしていると思います。

 しかし、現実はどうでしょう。例えば、「ガス業界」が主戦場の僕からすれば、直接お客と対面営業することはとても少ないです。では、どのようにして仕事が流れてくるかというと、建築屋さんから頼まれて仕事を請け、細かい打ち合わせの際にお客と初対面するのが一番多いです。

 そうなると、僕の先ほどセグメント化せずに「ターゲット」を決めたお客(偽ターゲットとしましょう)は、建築屋さんが連れてきてくれた人ということです。つまり、僕が営業をかけて契約した人ではありません。だから、そのお客の動向を見たとしても「特定の建築屋さんの層」を見ているに過ぎないのです。

 これでは、マーケティングする意味がありません。もうその建築屋さんの専属ガス屋さんになった方がコストもかからず効果敵に集客できるでしょう。でも、それではだめですよね。

 そこで、どうやってセグメント化するのでしょうか。

① セグメント化するにはセグメント化する情報が必要です。

 具体的にどのような情報が必要なのでしょうか?

 先程あったような、「世帯人数」「性別」「年齢」を一つ一つつければいいのでしょうか?

 まず、マーケティングの一番重要なのは「考えること」よりも「調査すること」です。このマーケットにどのような潜在的な顧客がいるのかを徹底して調べるのです。

 しかし、ここで問題発生です。

 一般的なガスや小売業界に「マーケティングチーム」もありませんし、「マーケティングにお金をかける企業」もそうそうありません。すなわち、「20~30代の子持ち世帯」なんていうゴールデンターゲットも「絞り込むことができない」のです。

② そう。マーケティングなんてできないのです。

 これでは、話が終わってしまいますよね。

 でも、マーケティングせずに飛び込み営業を続けるなんて、ただの健康に悪い散歩です。セグメント化しなくてはなりません。

 そこで、やり方としては、自社で持っている情報を洗い出ししましょう。

 顧客の住所、購入履歴、継続使用期間、等々色々あると思います。

 「20~30代の子持ち世帯」といえども、毎日住設機器のような高額商品を買い続けているわけではありません。高額商品の特徴として、一度買ったらしばらく買わないことが挙げられます。おそらく、10年以上は使うでしょう。

 ということは、そろそろ機器が壊れそうな人もターゲットになってきます。

 その人はどんな人かわかりますよね?「10年前に買った人」です。

 このように、スポット的にターゲットを見つけることができます。

 しかし、スポット的にターゲットを見つけても、「手広く見つけたい」という人。多いと思います。その時は、その人の周囲を特定エリアとし、「購入の意識」を周囲購入回数の頻度としてセグメント化すると見える化できるのではないでしょうか?

 

さて、②でスポット的にターゲットを特定する方法(③頭を柔らかくしてターゲットを探してみる)も少し見ました。

③ さて、一般的なことを踏まえて、商品購入意欲の高い顧客をターゲットにしてみましょう。

 そもそも、高級商材(高級ブランドでも高級時計でも)に限らず嗜好性の高い商品のマーケットにはある特徴があります。それは「買う人は何度でも買うけど、買わない人は全く買わない」とうことです。

 つまり、買わない人に値下げで売っても次に続かないが、買う人は定価でも買うのです。つまり、「値下げの効果は限定的」です。

 また、「買う人の友だちは買う人だし、嗜好性の高いものを買う人の周辺は同じような人が多い」というのも考えられます。

 高級時計や高級ブランドを買って大事に使う人は、そこそこの年収でもあると考えられ、お住いもそこそこです。

 ということは、高級商材を買って、しかも定期的にメンテナンスをする顧客は次回購入も期待できますし、その周辺の人も同程度だが、高級商材の良さを知らないだけかもしれないと考えます。

 そこで、高級商材を買い、定期的にメンテナンスする人を特定し、その顧客の周辺の人までをターゲットにすると絞り込めるかもしれません。

 

 ここまで書きましたが、マーケティングは非常に難しく、しかも書いてある本は後出しジャンケン「成功した理由を解説したもの」が多いです。

 生き馬の目を抜く業界で、二匹目ならぬ10匹目のドジョウまでは取れるかもしれませんが、10,000匹目のドジョウはもはやそのセグメントには絶滅しているでしょう。

 新しいセグメントを探す今、成功することよりも、いろいろな企業が隠したがる「失敗例」のほうが為になることもあります。

 色々考えてやってみてください。