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管理職になったらモチベーションアップよりもリスクヘッジを考えよ!

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 結果から言うと、部下のモチベーションアップを狙うより、部下の仕事上のリスクを減らしてあげる方が効率が良くなるよ。という話です。

  管理職は、管理職専用のセミナーや勉強会に参加します。そこで、指導の方法とかグループ運営の方法などを学びます。

 その場でよくあるのが「注意の仕方」です。注意しつつモチベーションアップにつなげるとか言います。

 勿論、社員が会社のお金を盗んだとか、社内いじめを行っていたとかなら注意するべきですし、最悪解雇になります。

 注意する場面って、「営業でなかなか成績が伸び悩んでいる社員に対して」などと有ったりして、「営業成績の伸び悩みで注意???」とハテナが沢山浮かんでしまいました。

 

 業務なんてのは向き不向きです。耳の聞こえない人にテレアポはさせないし、目の見えない人に事務作業(特に書類のチェック)はできません。

 五体満足で健康な人であれば、みんな同じことができるように思えてしまいますが、実際はそうではありません。かなり向き不向きがあって、合っていれば良いものの、合っていない場合、精神をやんだり、後遺症が残るようなことになりかねません。

 この合っているか合っていないかの判断材料がストレスチェックであり営業成績です。そして、このストレスチェックや営業成績も一年や二年の結果で分かるようなものではありません。はじめは全く優れなくても、適切な指導・教育を行うことによって、優れた営業担当者になることもよくあるからです。

 

 この指導・教育がモチベーションアップではなく、リスクヘッジにするべきということです。

 営業成績が「特に悪い」社員は、経験上不真面目で要領の良いタイプではなく、真面目なのに要領が悪いタイプです。

 要領が良いタイプは、実力がない内は「数打てば当たる」ことをわかっているので圧倒的な訪問数で販売数を伸ばしたり、持ち前のフットワークの軽さや人当たりの良さで顧客を掴んだりします。

 要領が悪いタイプは、まず不安に思います。訪問時のトーク・契約後の管理・担当者との相性・自社システムの範疇…とにかく、わからないことが不安で仕方ないのです。

 一番手っ取り早い解決策は、「とりあえず行け。訪問数ノルマ〇〇件終わるまで帰ってくるな」と強く言えば恐らく出来ることでしょう。自信がなく要領も悪いので、要領が良いタイプと比べて成約数は低いでしょうが、多少営業成績は上がるはずです。

 

 しかし、この解決策は自社のボトルネック解消のチャンスを逃してしまっています。

 要領が悪いタイプが思っている「不安」は至極当然の不安なのです。この不安、裏を返せば、

「訪問時トークのマニュアル・教育が無い→担当者任せのリスク」

「契約後の管理→管理は担当者or別部署管理(契約により業務逼迫)」

「担当者との相性→クレームになった時の担当変更などの対策が不明瞭」

「自社システムの範疇→販売物が多く、自社システムだけで管理できないものも売っている場合の管理リスク」

 となります。

 長い職歴の人には分からないリスクを、要領が悪いタイプの人は感じ取っている場合が考えられるのです。

 

 その場合、「それいけ!」というのではなく、感じる不安(つまり、リスク)を削減する行動を管理者として行うべきです。

 特に、日本国内の企業において、組織が大きくなればなるほど「同じ人が同じ業務を行い続ける」ことはあんまりありません。そう、そのような組織では「担当者が変わったけれども、同じようにできている」という状況が求められるのです。

 この状況に行き着くためには「モチベーション」ではなく「システム・マニュアル」なのです。

 

 要領が悪く使えない人は、会社のシステムがうまく行っているかどうかの指針です。彼らがうまく回っているとき、それは会社のシステムがうまく回っているときです。

 

 今まで無かった業務を任された担当者が一人悩んでいるとき、その部署の上司が「初めての業務を行えるなんて嬉しいこと。頑張れ。」とハッパをかけていました。

 ですが、担当者の顔は優れません。ほしいのは業務に関する明確なヴィジョンなのですから。

 そこで、隠れてその業務をやっていた経験が有ったので、注意点やマニュアルなどを書類にまとめて渡しました。その時、とてもやる気に満ちていました。

 不安がなければ人は頑張るのか。と気づいたのでまとめました。