アシックスがパタハラ疑惑?
男性育休を一年間取得した男性が、育休復帰後に倉庫業務へ出向となった。育休などの休暇中に人事異動をするのは違反であるとし、人事に戻った。
戻ったあとも、以前と同じ業務ではなく希望の業務ではなかったようです。
パタハラ(一発変換しない)・マタハラ(一発変換する)って最近よく言われるようになりましたね。
()で書いているように、マタハラはすぐ出るのにパタハラは出ないというのが、どうも世相が実際と追いついていないような気がします。
この記事の男性は、アシックスの日本代表選手にプロモーションを行ったりする部署に居たとのこと。恐らく、社内では相当花形の業務だったのではないでしょうか。
それで、育休中に倉庫業務に変わり絶望して会社を訴えることにした。
基本的に会社が悪いです。育休中の人事異動は違反なので。
しかし、訴えたあとこの男性はもとの部署に戻り、「プロモーション」ではなく「社内規定の英訳」等の仕事をさせられているとのことです。
何と言うか、個人的にですが彼のプロモーションした製品は買いたくないなぁと感じてしまいました。
彼のプロモーションしている靴でもウエアでも、誰かが作って、誰かが運んで、どこかで保管してお客さまへ行くのです。その中の仕事の中に優劣は決してありませんし、特に流通や倉庫などは技術革新やコストカットの見せ場です。それを、肉体労働だと切り捨ててしまうのはどうなのでしょうか。
あたかも、プロモーションの仕事は素晴らしくて、それ以外の仕事はどうでも良いと言っているようです。
以前、督促業務の部署に鬱が出て人数が足りなくなり、一年だけ業務をさせていただいたことがあります。
行ったときは、「なぜ自分が?」とずっと思っていましたが、今こうして色々なことを改善できているのはその時の経験からなのです。
無駄な業務なんてありません。その仕事、部署をより良いものにできなかったのでしょうか。
プロモーションの仕事って、大変でしょうが「やりたい!」って人も多い仕事なのではないでしょうか。その中で、自分は前職プロモーションの仕事だったから、ずっとその仕事をさせてもらえると思っているのが甘いと思います。
一年間居ないのですからその間、代理者が業務を行っています。その代理がどう思っていたかはわかりませんが、花形ですからきっと「やりたい!」と思って業務を行っているはずです。
そして、代理は育休を取らずに一年間頑張っていたのです。
育休中は評価されません。
そして、代理はその一年間で評価されたのです。
これが許されるのであれば、どんどんブラック化が進んでしまいそうだという意見もありそうです。
しかし、休みも取らず、家庭も顧みず仕事に没頭する人が居たら、社内の人は助かるのも事実なのです。
社会が悪い、デフレが悪いというのは簡単です。
当たり前です。みんな、定時で帰り、長期休暇も取得出来、休暇終了後の業務も同じ場所が担保されている。そんな会社が良いでしょう。
でも、それってどんな会社何でしょうか。これが出来るようになるには、人員を1.5倍程度増やさないと厳しいでしょうし、倉庫業務やはたまた管理部から華やかなプロモーションの部署へ異動することは叶わないのでしょうか?担当者が育休で不在なのに!
仮に、人員が足りないために育休中に管理業務の人が応援でプロモーションをやって、そこで楽しさを感じてもっとこの仕事をしたいと思っても、育休中の担当者が戻ってきたらその人に返さなくてはならないのでしょうか?
僕は、頑張った人が報われる社会の方が良いと思う。
正直、プロモーションは毎日しないだろうから担当者の代理はあまり居なさそうです。だから休みにくい。でも、倉庫業務は毎日です。ですから、休まれても代理を出しやすいのではないでしょうか。
その「休みにくさ」も含めて業務の特性ではないでしょうか?
特定の業務の良い所ばかりを享受して、悪いところは権利を持ち出すのはどうも納得出来ません。あと、出向先の業務に関しても。
日本は、労働条件であまりに多くの問題を抱えています。
それを一度に解決する方法はありませんし、安易な権利の使用を認めてしまっては新たな問題を生むことにも繋がります。
そこで、よくHPやブログで見るのが「フランス人はバカンスを絶対取る」とか「アメリカ人は家庭第一だから五時に帰る」とかいう海外至上主義です。
ちなみに、OECD発表の年間労働時間(2015)はアメリカ1,786、日本1,719です。
サービス残業が含まれていない、パートも含まれている等々あるでしょうが、労働に関してはアメリカのほうが多いです。
日本は生産性が悪く、馬鹿な経営者が多いのも悪いでしょうが。
ただ、どの国にも問題は多いです。
他国も「参考」にはしながら日本らしい労働を作り出せればいいですね。