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ウィズコロナ社会でのコーチング

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 専門家の意見で、「コロナは無くならない。アフターコロナではなく、ウィズコロナになる」ことをよく聞くようになりました。

 ウィズコロナでは新しい生活様式が採用されることで、これまで程ではなくともテレワークは推奨されるでしょうし、これまでコミュニケーションとして使っていた接近・接触は使えなくなってきます。

 そうなると、このブログで以前より言ってきたように、「体育会系」的なコーチング・マネジメントは意味をなさなくなってくるのです。

 では、上長はどのようにしてコーチング・マネジメントを行っていけばいいのでしょうか。僕の考えとしては、下の3点が大切だと思います。

 記事の結論として、

①「言い方」ではなく「文字」を重視する。

②「姿勢」ではなく「時間と途中成果物と結果」を管理する。

③「個人」を大切にする。

 以上の三点です。

それでは、各要点の説明をします。

①「言い方」ではなく「文字」を重視する

 「優秀な人人は、ブラックジョークを好む」と言われます。これは、IQが高い人はブラックジョークを好むのと同じです。

 さて、若くして上長になるような優秀な方は、社内では割とブラックジョークを言うことが多いのではないでしょうか。コンプライアンスギリギリのジョークは面白いですし、賢い人の話術であれば多少の暴言さえも笑いに変えてしまいます。

 おそらく、自分から「ブラックジョーク」を言うようになった人であれば、恐らく「ブラックジョークは文字にするとパワハラになりかねない」ことを知っていて、メールやチャットでは控えるでしょう。しかし、優秀な人を参考にしている秀才であれば、活字と話術の違いを意識しない為に、部下にストレスを与えてしまうこともあるかもしれません。

 例えば、優秀で周囲の社員とよく世間話をしている方に、冗談で「Aさんは手よりも口が動くよね」と言うとします。もちろん、よく言っている冗談ですし、周囲も笑って本人も「口も動くけど手も動いていますよ!」なんて言い返して、いい意味のコミュニケーションになります。

 しかし、このテレワークが始まり、全体メールで「Aさんは、業務中にもよく世間話をしていましたが、在宅勤務中では少しは静かになっているでしょうか?(笑)」なんて書いたとします。

 社内であれば、気も張っているし、全体意識があるので「言い返して笑いを取る」こともできますが、全体メールで活字として書かれると「全体メールで笑いの返信」をする勇気も必要となりますし、なにより「(笑)と書いているけど、今まで本当に世間話をうるさいと思っていたのではないか?」などと在宅勤務のストレスもあり、勘ぐってしまいかねません。

 「言い方」では、良さも悪さも伝えられます。しかし、活字(特にメール)の持つイメージは中立です。活字以上に伝達できることはありません。

 もし、在宅ワーク向けの朝礼替わりのメールを行っていることがあるとすれば、「いいイメージの言葉」を率先して使うべきです。そして、メールで叱咤する場合も、文字がきつくなり過ぎないように考慮する必要があります。

 メールで叱咤する場合、話言葉はすぐに消えますがメールは残ります。部下が、きつく叱ったメールを何度も見て精神的に落ち込み過ぎないよう、かつミスをきっちり反省するよう考える必要があります。

 僕が業務メールを送付するときは、天気や季節のいい話も入れて、少しでも良い気持でメールを見てくれるようにしています。

 

②「姿勢」ではなく「時間と途中生産物と結果」を管理する。

 これは、テレワークや職場を移動させた場合によくあることです。

 それは、いままで目の前で部下が一生懸命仕事しているように見えていて、その姿勢だけで評価していなかったでしょうか?

 例えば、夜遅くまで残業したり、額に汗して忙しそうに走り回っている姿です。

 しかし、テレワークや職場を移動させられればその姿は見えません。

 では、どうやって評価するのでしょうか。

 例えば、在宅ワークで営業担当だった場合です。

 行った業務や打合せした人、提案した資料など、どのようなことを行ったかを管理する必要があります。受注件数だけの(結果)で評価すれば、単に運の良い悪いで評価せざるを得なくなってしまいます。

 管理職の評価は結果だけで構いませんが、これから成長していく部下達を結果だけで評価すると、今後の成長に関わります。PDCAサイクルが当たり前になって、標語にも出なくなっている現在です。何をして、どう考えているのかをしっかりとみてあげる必要が有ります。

 その際に、提案書や企画書の叩きでも、今考えている契約先とのスキームのアイデアでも、なんでもいいので中間成果物を評価してあげるようにしましょう。

 そうなると、「密に連絡してきたり、メールやチャットでコミュニケーションが上手い社員が評価されやすくならないか?」との疑問が出てくるかもしれません。

 答えは「その通り」です。今まで面対コミュニケーションスキルの高い社員が評価されてきましたが、これからは「活字とネット」でのコミュニケーションスキルの高い社員が評価されるようになるということです。

 

③「個人」を大切にする。

 これは、課内の全社員が同じ部屋に集まり、打合せなり、フリートークをする場合、バラエティー番組のような役割が発生します。いわゆる「キャラ」です。

A.上司が司会者

B.エース社員級がフリートークをするベテラン芸人

C.普通の社員がガヤ(若手芸人)

D.新入社員が女優やタレントのゲスト

 このような形です。B(エース社員)がほとんど話をして、C(普通社員)がたまに話を振られる。D(新入社員)は持ち上げられたりいじられたりして話を潤滑に進めていく。

 ほとんどの会社の会議はこのように進んでいくのではないでしょうか。

 これは、会議室の座る位置も関係しています。AとBは、会議以外でも頻繁に会話している為、近くに座り、Dは一番遠くに座るなどです。

 しかし、テレワークや職場を移動することになって、ネット会議などを行うと、「誰が話して誰が黙っているか」が一目瞭然となります。また、各員の中間成果物の資料もある為、能力の差も歴然です。一方、ワイワイガヤガヤと会話は出来ないことから、C(ガヤ)の存在価値が減ります。

 そうなると、一見してエース社員だけいれば他の社員は用無しに見えてしまうのです。

 ただ、それは錯覚で全員がそれぞれの仕事をしているから会社は回っています。

 つまり、不要なのは「C普通社員」ではなく「Cガヤ」という”キャラ”なのです。

 そうなると、「普通社員」としてみるのではなく、それぞれ個人にフォーカスし、それぞれの成果物に対して管理・指導することが重要となります。

 ただし、上長だからと言って全ての業務に対して理解が深いわけではないと思います。初めて見る業務を管理・指導することもあるでしょう。

 その場合でも、しっかりとコミュニケーションを取り、イ.提出した中間成果物が何なのか、ロ.それは良いのか悪いのか、ハ.どのような努力をしたのか、ニ.その努力はずっと持続可能なのか、ホ.もし今回初めて行った努力であれば何故今まで行わなかったのか、など業務に関しての理解を深めつつ、業界人である社員個人としての理解も深めるようにしてみましょう。

 一生懸命にやった業務であれば、きっと普通社員は嬉々として報告しだすでしょう。一方、テレワークだからと杜撰なことをしていた社員は納得できない報告をするかもしれません。

 もしかしたら、B(エース社員)とC(普通社員)とが逆転してしまうかもしれません。

 

 以上が、ウィズコロナの世界での業務管理・指導における僕の考えです。