営業マンは人件費を考えるべきか否か
営業を行う上で、よく「コスト意識」とか「経営者目線」など言われることが多々あります。
果たして、現場の営業マンが経営者位目線やコスト意識を持つことは可能なのでしょうか?
そもそも、営業にコスト意識は必要なのでしょうか?
私は、当然のことながら「コストの最適化」を行うことは必要だと思います。
しかし、コストの最適化など不可能です。
例えば、「懇親会」と「その後のタクシー代」を考えてみましょう。
懇親会では、お酒も入り、タクシー代も含めると10,000円近い出費となります。これが、毎週あれば年間50万以上の出費、しかも営業マン一人分で、です。
この額だけみると、懇親会は一見して不要なように見えます。また、ルート営業であれば行っただけで仕事が増えるわけでも有りません。では不要なのか?
実際、懇親会に行くとライバル会社も居て、自分が居なかった場合に居場所を取られる可能性もあります。また、実際ライバル会社とは売っているものがほぼ同じことが多く、簡単に乗り換えられてしまいます。また営業先のキーマンはまだしも、ただの担当者は、「気軽に話しやすい」というだけで商品を選ぶことも多く、その場に居ないと言うだけでマーケットから弾かれてしまうこともあります。
こうなると、年間50万の営業費は不要なコストというよりも必要な経費と思った方が良さそうに見えてきます。
しかし、一体誰が「ここの担当者は気軽に話しやすいかどうかで受注を決める」なんてこと分かるのでしょうか。誰にもわかりません。
すると、どの企業もやっていることは、自分の企業でもせざるを得ないということになってしまいます。
では、この飲み会、もとい 懇親会はそんなにネガティブな目的しか無いのか。
そうでは有りません。営業先の懇親会なんて、ゴルフと趣味の話しかしないかというとそうでは有りません。しっかりやっている企業ほど、懇親会のときは仕事の話です。
その懇親会でしっかりと仕事の話が出来ると、かなり好印象になります。
となると、新人営業マンにとって懇親会はレベルアップの場でもあると思うのです。
ですから、ガンガン行って成長するべきです。ただ、無理やり飲ませたりはしゃぐだけの営業先は大したこと有りません。適当に避けて適当に帰りましょう。大丈夫、そんな企業は長くは持たない。
結論として、人としての成長や仕事での評価は最適化したコストでは考えられません。
つまり、人件費や営業費は削減対象では無いのです。
もっと、仕入れや工程数などで削減をすべきだと思うし、それこそが人への投資だと思うのです。